女性のからだの整体法

野村奈央 著 定価:1200+税

A5判並製 144ページ2003刊

「女性のからだの整体法」出版して   野村奈央

 七つ森書館より「女性のからだの整体法」を出版して数年が経ちました。その間、全国の方々から思いの他たくさんのお手紙、メール、FAXでのご感想が届きました。たくさんの女性が深刻な体の状態に苦しんでいます。子宮内膜症で、ホルモン注射をして生理を止めている方、おなかの痛みと頭痛で毎回寝こむような生理痛が続き、心身のバランスを崩している方、不自然な出産で、産後想像以上に心身のダメージが残り、子育てもうまく出来ないという方などいろいろな方がいらっしゃいます。

 このたくさんの女性たちの声は、現代社会の不自然な出産、仕事、生活の現れです。毎月の生理、月経は月のみちと書くように、初潮から始まる大切な子宮のお掃除です。その間はゆったりと、忙しくならないよう過ごす時です。心地よく過ごすことが大切です。体を壊す方向でない月経の過ごし方、自然の営みに沿った出産が見なおされ、広がってほしいとつくづく思います。

 本の中では、誰でも実践できる内容、足首から膝、股関節から腰のリズムを回復する方法、四季折々に則した体の手入れの方法などをご紹介致しました。本の内容で実践をはじめた方、コースに参加された方からはたくさんの喜びのご報告を頂いています。寝こむような大変な生理痛がなくなった方、更年期の症状が軽くなり体がとても楽になったという方、卵巣をとる手術の日程も決まっていたのに、腫れも取れ手術を免れ、冷え性もなくなってしまったという方などもいらっしゃいます。

 以前、私のコースに参加していた30代の女性から頂いたお手紙をご紹介します。「前は長時間のパソコンの仕事がつらく、体の偏りによる偏頭痛、むくみなどが常にあり、動くのも嫌いで食べ過ぎ、体も重く毎日帰ってはやっと寝るだけという生活でした。コースに参加し、足首まわしや体の内側からの整えようとする動きに身を任せ、季節ごとの体の変化に丁寧に関わってきましたら、今妊娠をむかえ、つわりも全くなく、こんなに妊娠中が豊かな気持ちで過ごせるとは思いもよらなかったと、おなかの赤ちゃんに声をかけながら毎日楽しく散歩をしています。」

 今でも苦しんでいる多くの女性達に、自然に沿った女性の体のリズムを取り戻し、育児も楽しく母性豊かに生き生きと生ききることの大切さに、ぜひ気がついていただきたいと思います。そして、その自然の流れが全国に、世界中に広がってほしいと、心から願います。



からだの悩みを解決する
6つのテーマと四季のお手入れ


整体の創始者・野口晴哉氏に師事し、整体指導歴43年のベテラン著者が、女性へのアドバイスを贈ります。

13刷2万冊超 
ロングセラー





第1章 女性のからだ 6つの重要テーマ


<テーマ1> 生理はからだを整える絶好のチャンス
<テーマ2> 健やかな出産を考える
<テーマ3> 更年期を元気に経過するために
<テーマ4> 風邪でからだの弾力が取りもどせる
<テーマ5> パソコンによる眼の慢性疲労に要・注意
<テーマ6> 女らしさ・母性を大切に育む


第2章 四季おりおりのからだの手入れ


<春>  からだにたまった老廃物を大掃除
<梅雨> からだをサビつかせない工夫が大切
<夏>  いい汗をかくことがテーマ
<秋>  体質を改善する絶好のシーズン
<冬>  冷え・乾きを解消して健やかに


~あとがきより~


 生活の自然を求め、町暮らしから赤城山麓の田舎暮らしに移って二十年になります。畑を耕し、新鮮な野菜をいただき、四季折々の移り変わりとからだの変化、森のエネルギーと空気と水のおいしさを実感する日々となりました。静まりかえった自然の中で、森の息吹や森の精霊を感じ、星も月も太陽も身近に感じられ、からだの隅々まで宇宙と共に呼吸しているのがわかります。そして、何よりも生きている喜びを感じるのは、毎年季節の移り変わりに適応しながら、自分のからだも微妙に変化していること、変化してゆくからだの心地よさをよりはっきり体感できるということです。人間のからだはほとんどの細胞が数カ月で再生されるそうですが、まさにそれが実感できます。


 それはちょうど一本の木が春を予感して芽出しの準備を始め、春の訪れと共に芽を出し、花を付けるのと同じです。瑞々しい若葉の季節を過ぎ、夏が近づくにつれ、溢れるエネルギーの中で葉っぱを広げ、夏の終わりにはしだいに木そのものが何か落ち着いた気をかもし出し、葉っぱがわずかに色付きはじめます。そして、紅葉の季節には感動を与えてくれます。やがて落葉し、ひっそりした雰囲気を漂わせるときには、冬の準備はとっくに済んでいます。その後、厳しい冬の中で身を閉ざし、耐えているように見えますが、すでに、次の春の準備が密かに始まっているのです。


 私は空や樹木や草花を見るたびに、人間のからだも同じだなあとつくづく感じます。このような変化と自然の調整作用が、都会でも田舎でも、一人一人のからだに起こっているのです。特に、女性のからだが自然のリズムに沿って、骨盤の開閉、足の裏から足首、腰、背骨とつながって動いていることは驚異的ともいえるでしょう。


 私の主催するセミナーに参加したある助産婦さんは、「満月の日にはお産が多いんです。お母さんも赤ちゃんもこの世に生まれてくる時をちゃんと知っていて、満ち潮の時に海のうねりのように一定のリズムでいきみがやってくるのです」と言います。
 ところが、昔の私のように、このようないのちのリズムに沿った営みに気付かず、むしろ薬や不自然な生活でその営みを壊し、苦しんでいる女性は想像以上に多いのです。いろいろやってみても思うような結果がなかなか出なくて、人生を諦めている方も多いのではないでしょうか。私は「そんなことはないのです。自分の中にある治ろうという力とからだの自然を全面的に信頼して、任せ切れば、必ず回復に向かいます、人生を楽しんで生きられるようになります」と心の底から叫びたいのです。


 私たちの社会はますます人工的になり、自然から遊離していますが、本当は、私たちのもっとも身近なところに豊かな自然があります。それは一人一人自身のからだの中にあるのです。今こそ、私たちは自分の中の自然の声を聞き、自然の営みのリズムを取り戻し、女性のからだの環境を回復する大切な時代であると感じています。


 本書は、私自身の「からだの自然生活」実践からとても有効だと思ったこと、私のセミナーで沢山の女性の方々と出会った中で、整体が専門的にわからなくても身近に実践していけるものばかりをまとめました。この本に書いた方法を実践することで、大自然の営みと女性の内なる自然とがしだいに調和し、読者の方々に健康になっていただければ、これほど嬉しいことはありません。




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